ベンチャー経営者・M&A担当者が知っておくべき国際財務報告基準(IFRS)と日本会計基準の違い
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注目のコメント
当社は、2012年4月1日にIFRSを任意適用(JTやHOYAなどに続き国内6番目、ネット系では初)しましたが、当時はそもそも事例がない中での文字通りの「手探り」でした。
おかげさまで(?)、いまや導入に関してもその後の運用に関してもたくさんの知見(地雷)を積み重ねられてきているので、ご関心ある方はお気軽にヒアリングください!(ちょうど最近、複数社からご相談をお受けしたところでした)
※なお、IFRSと日本会計の差分で大きい点として、M&Aののれん償却の扱いの他に、販売に関する費用の取り扱いの差異がありますね(費用計上か収益控除か。楽天のポイント引当繰入額やソフトバンクの端末販売奨励金の扱いなど)減損、IFRSについてとても分かりやすいです。
ちょっと誤りの訂正と会計処理の裏側の話をします。
誤りについて
〜「減損テスト」というのは、その時点での「のれん」の価値を再評価し、価値が(著しく)失われている場合は、減損処理する必要があります。通常、会計・監査法人等の第三者が行います。〜
とありますが、これだけはやってはいけない誤りです!!
減損のテスト等の作成過程も含めて財務諸表の全てはその会社が作成するものです!監査法人はあくまでも第三者として、会社が作った財務諸表に対して意見を出すだけです!
監査法人は減損のテストについても会社の判断が妥当かどうかを見るだけです。
本題に戻ります。
のれんというのは要は財務諸表上、A社1000万円のものを買い手B社が2000万円で買った時にでる差額の1000万円です。
これは買い手B社がA社は見かけ上1000万円だけど、A社の商品、人材、商流、いまの売上や利益のいわゆるブランド力から考えて見かけの価値を超えて2000万円の価値があると思って買うんですね。
つまり、A社資産1000万円とブランド力1000万円を買ったわけです。
ただ、A社の財務諸表には自社のブランド力なんてものはもちろん計上されていないので、買い手が買収したときにA社の資産とブランド力を買い手B社の財務諸表に計上します。
のれんの償却
IFRSでは
⇨ブランド力というものは時間の経過とともに減少するようなものではないと考えています。そのため、償却はせず、毎年ブランド力が毀損していないかの減損テストをやります。毀損していたら費用に落とします。
日本基準では
⇨ブランド力という実体が無いものを財務諸表に乗せ続けるのは危険ではないか、また、ブランド力がいつまで保たれているかなんてわからない。
さらに、B社が買収後に築いた新しいブランドイメージが浸透してくるとA社のブランド力というのは実は失われていてB社のブランド力になっていく。そうすると、自社で作り上げたブランド力のようなものを財務諸表に計上することは禁止されているため、実質的にこれに反してしまう恐れがある。
よって、日本基準では、20年以内の期間で償却してBS計上額をゼロにしていくことにしています。
こういう根本的な考え方の違いが会計処理に現れています。減価償却の漢字ぐらいいいじゃんと思ってさらっと流してみたら、サブタイトルで目立ち、しかも一か所だけでなく全箇所で「原価償却」となっていて、さすがに目立つ。。。
さすがに漢字知らないことはない(ゴーストライターなら知らんが)だろうから、ということはおそらく読み返さなくてもきっちり書けるタイプなんだろう。凄いな。
自分は文才がないので、記事や投稿する時は3回ぐらい読み返して投稿ボタンを押すのだが。。。これだけクイックに記事排出できる才能が羨ましいなとふと。
「のれん」の処理について私見(宣伝みたいですいませんが)↓
https://www.facebook.com/genkayaba.cpa.jp/posts/965154353573011