電通初の「クリエーティブ・テクノロジスト」の仕事とは

2016/2/1
テレビ、新聞、ラジオ、雑誌が広告コミュニケーションのほとんどを占めた時代は終わり、メディアの種類も量も構造も変わった。これに伴い、デジタル領域のメディア戦略が得意なクリエイターやマーケターに注目が集まる。その代表的な一人が、電通初の「クリエーティブ・テクノロジスト」菅野薫だ。4回にわたり、氏の仕事の中身や、広告コミュニケーションの今後について聞いたインタビューを掲載する。

カンヌ最高賞を受賞

──菅野さんの「Sound of Honda / Ayrton Senna 1989」は、故アイルトン・セナの1989年のF1グランプリにおける走行を音や光で再現し、セナへのリスペクトと追悼の意を表現。カンヌライオンズ2014では7部門で15個の賞を受賞し、最高賞と目されるチタニウムライオンのグランプリも獲得しました。
データを解析し、セナの走りをサーキットに再現するという画期的なアイデアは、どのように思いつくのでしょうか。菅野さんはデジタルテクノロジーの専門家なので、テクノロジーに対する知識と創造的な感性をつなげるようにして発想するのでしょうか。