日本市場はアマゾンの“ブルーオーシャン”なのか?

2015/10/28
小売りの世界王者として、あらゆる国と分野へ版図を広げるアマゾン。その影響力は、日本でも高まっている。日本のトッププレーヤーと、アマゾンの闘いが本格化しようとしている。
読者に伝えたい3つのポイント
・アマゾン本社からすると、日本は人口対比で見ると成長余地の大きい市場
・EC市場の拡大につれ、日本におけるアマゾンの存在感はさらに高まるだろう
・1億IDを持つ楽天は手強い。「打倒アマゾン」に向けた日本勢の闘いが本格化

対照的なアマゾンとウォルマートの決算

最近のアマゾン・ドット・コムの業績はきわめて好調だ。特に利益面で北米とアマゾン ウェブ サービス(AWS)の黒字化が効いている。2000年のITバブル前から見ている投資家にとって、「アマゾンが利益を出す」こと自体が新鮮だろう。
アマゾンとは対照的に、2015年7〜9月期の決算でおそらく一番ネガティブに感じたのは、ウォルマート・ストアーズだろう。
従業員への手当とデジタル対応で費用が思った以上にかさみ、利益が圧迫されるというメッセージが発せられると株価は急落した。このウォルマートの苦境を目の当たりにして、書店がアマゾンに淘汰(とうた)され、家電量販店がアマゾンに淘汰されたストーリーを想起した投資家は多かったはずだ。