[ニューヨーク/シドニー 25日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>の新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)6S」と「6Sプラス」の販売が25日、世界各地で始まった。発売後初の週末の販売台数は過去最高に達することが予想されている。

米ニューヨーク5番街の旗艦店前には午前2時から列ができ始めたほか、オーストラリア・シドニーでは、テレプレゼンスロボット「ルーシー」が列に並ぶ光景も見られた。

アナリストは、今週末の販売台数が1200万─1300万台と、昨年のアイフォーン6が記録した1000万台強を上回ることを見込む。昨年は、中国で規制当局からの認可が問題となり発売が遅れたことから、同国の販売台数は含まれていない。

新型アイフォーンは、カメラ機能が向上したほか、画面の押し具合で操作する「3Dタッチ(感圧タッチ)」が採用された。ただ、前回の新機種投入時に比べると、小幅な改善にとどまる。

そのため、新機種にはアイフォーン6のユーザーを買い換えに向かわせるほど魅力的な新機能を擁していない可能性があるとの声も聞かれる。

ただ、アップルは、旧機種からアイフォーン6に買い換えたユーザーの比率が少なかったことを踏まえ、今年は十分な需要拡大余地があるとの見方を示している。

同日、アイフォーン6と6プラスを解体・調査したアイフィクスイットは、バッテリー容量が「幾分」減少したことを指摘。ユーザーの触覚に働きかける機能「タプティック・エンジン」の搭載が影響している可能性があるとした。アップルは新機種のバッテリー寿命は、前回から変わっていないとしていた。

同機種に採用された半導体は、クアルコム<QCOM.O>、アバゴ・テクノロジーズ<AVGO.O>、クォルボ<QRVO.O>、テキサス・インスツルメンツ(TI)<TXN.O>、スカイワークス・ソリューションズ<SWKS.O>などが製造したもの。

さらに、東芝<6502.T>のNAND型フラッシュメモリーが採用された。アイフォーン6向けのNAND型フラッシュメモリーはサンディスク<SNDK.O>、アイフォーン5S向けは韓国SKハイニックス<000660.KS>が製造していた。