大人になったFacebook。タイムラインで見る最新動向
2015/9/11
8月に1日のアクセスユーザー10億人を記録し、Facebookはその存在の巨大さを改めて感じさせました。傘下にはInstagram、WhatsAppを擁し、モバイルで戦う体制が整っています。
現在と未来のバランス
Instagram、WhatsAppを抜きにしても、Facebookには現在と未来の両方を見据えた取り組みが並んでいます。
広告の拡充や、機能追加によってFacebookページに再び光を当てようとする動きは従来路線です。一方、近い将来、大きな成長エンジンとなる可能性を秘めているのがMessengerです。
Facebookからメッセージ機能が切り離されて別アプリ化された当初は、面倒なことをすると感じましたが、その後の展開からFacebook本体と土台を同じにしながら別プラットフォームをつくろうとしている構想が見えてきました。6月には、Android版のダウンロード回数が10億回を超え、すでにメッセンジャーアプリとして十分な存在を示しています。
パブリックとプライベート
3月に開発者向けカンファレンス「F8 2015」で、Messenger Platformが発表されました。Messenger上で動くアプリの開発をサードパーティに開放するもので、もともとFacebook本体で行ってきたことを、Messengerでも再現しようとする動きです。
Facebook本体、Messengerと、プラットフォームを2層にした意味は、よりユーザーのプライベートに近づこうとしているためと考えられます。
Facebook本体のニュースフィードは、自分のフィードとはいえ、さまざまな情報が行き交うパブリックな場でもあります。広告やコマース、派生サービスを発展させていくにはLINEのように、もっとプライベートを中心にしたネットワーク空間に入り込む必要がありました。
Facebookは「今なにしてる?」
現在と未来をつなげ、プライベートとパブリック両方を抑えようとするFacebook。2015年の彼らの主な動向を時系列にまとめたのが次のタイムラインです。これを見ると、Facebookがその構想を実現するために満遍なく手を打ってきているのがわかります。
Googleよりもコンパクトに戦略をまとめている分、意外性や面白みには欠きますが、ティム・クック体制のAppleに似た手堅さがあるFacebook。いつまでも童心のラリー・ペイジと成熟してきたマーク・ザッカーバーグ。精神年齢の逆転が起きているのかもしれません。
(文・ビジュアル:櫻田 潤)