ボーイング vs. 三菱重工。両社のROEに6倍の差がある理由
2015/08/25, NewsPicks編集部
航空機の世界No.1 vs 日本No.1
ボーイング vs. 三菱重工。両社のROEに6倍の差がある理由
2015/8/24
日本で頂点に立つ企業と世界トップの実績を誇るグローバルカンパニー。両社にはどれほどの差があるのか。日本と世界の距離はどの程度、遠く、近いのか。主要な業種・業界における世界のNo.1と日本のNo.1を比較する本連載。アナリスト集団、Longineのアナリストがデータと自らの見識をもとに分析、日本企業が将来、世界トップに立つ確率も予測する。第11回は航空機。ボーイングと三菱重工業を比較する。
ほぼ専業のボーイング vs. 多角化の三菱重工
今回は、世界最大の民間航空機メーカーである米ボーイング(BA)と約半世紀ぶりに民間ジェット航空機の完成機ビジネスに参入する三菱重工を取り上げる。いずれも、米国、日本を代表する製造業の名門企業だ。
まず、以下の図では、両社の売上高、純利益、時価総額を比較している。直近の決算(三菱重工2015年3月期、BAは2014年12月期)を見ると、売上高は、BAが三菱重工の2.7倍、純利益は5.9倍、時価総額は5.6倍だ。BAの利益、時価総額の大きさが、売上規模の格差以上に際立っている。
BAが大型旅客機メーカーであることは誰もが知っていると思うが、三菱重工の主要事業は? と問われると答えに窮する人が多いのではないだろうか。
newspicks.com
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コメント
注目のコメント
ボーイングの比較対象はエアバスというのは正論ですが、日本企業で比較対象に値するのは三菱重工が筆頭になると思います。自動車産業以上に裾野が広く、経済への波及効果が大きいと言われる航空機産業。ボーイングのサプライチェーンのなかで日本メーカーの地位はじわじわと上昇しています。まさに長期的な視点で注視すべき企業であり、業界といえます。
記事にあるように、ROEの差は財務レバレッジの寄与が大きいが、同様に記事にあるように市場を寡占して安定収益を確保できているからこそ、その財務レバレッジが可能という事業側の側面とのコンビネーション。
一方で、三菱重工に関してはこれまでコメントしてきているように、複数の事業を抱えている中でそれらのポートフォリオマネジメントがはるかに改善している。個々の事業で競争力を上げて、併せて大規模な事業で買収を行いといった形で、まだまだ攻められると思う。
なお、CCCに関しては財務的には短い方が基本的には良いが、どれくらいが適切な期間なのは事業特性にもよる。例えば電子機器でCCCが長ければ、そもそも価格下落が進みやすい商品なので、その間に価値が低下しているリスクが大きい(初期のDellが強かったのはそこ)。一方で、価値が低下しにくければ、例えば在庫を持つ(=CCC増加)ことで、顧客のメンテナンス要望にすぐに対応でき、それが競争力になる側面もある。重電・重工メーカーはこの側面が強い。
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