【ミニ教養】メディアの終わり
コメント
注目のコメント
森川さんと同じ点に注目していた。
OpenAIは、今回AtlanticとVox Mediaとパートナーシップを締結した。VoxもOpenAIに対して結構批判的な記事を書いている。
一方で、それでも本契約が結ばれた点が興味深い。まずはメディア側として経営と編集の独立が保たれているという観点。そしてメディアが批判をしてきたなかでも、OpenAIがそのメディアと契約を締結したという点。
OpenAI、老舗メディアThe AtlanticおよびThe Vergeの親会社Vox Mediaともライセンス契約(2024/5、ITmedia)
https://newspicks.com/news/10047852
そして、昨今の契約が「自殺行為」というのも興味深い。
米国に限らず、日本でもヤフー周りがその論点。ヤフーはニュース契約で大きく伸びたし、日本のネット社会のインフラ企業としての姿勢など尊敬する点が多い。ただメディア企業への還元は、その価値に対しては少ない。
もちろんネットが当たり前になる中で、メディア企業各社が自社でどれだけその変化に適応しようとしたかとか、誰もが発信できる時代になったにもかかわらず、旧態依然としたスノビッシュな姿勢ゆえの自滅もあるとは思う。
だからこそ、メディアもプラットフォームも双方が顧客ニーズに適いながらも、情報提供者として信頼され、収益も持続的になる体制を構築できるように模索することは、とても大事。
生成AIは、高品質の情報を学習のために必要とするという点でも、その良い機会。ただ、多くのメディア企業がいる中で、全体最適ではなく個社最適で提携がはじまることでそこから決壊していく、ゲーム理論でいう「囚人のジレンマ」の状況が発生しやすいとも思っている。
日本のメディアとヤフー中心としたネット企業との変遷は、下山進氏の2050年のメディアに極めて詳しく出ており、興味がある方は是非見ていただきたい。
2050年のメディア(下山進)
https://amzn.to/321WjjG
<追記>今日出た、「この記事はOpenAIの教師データです」というタイトルのVoxの記事も面白い。
This article is OpenAI training data
https://newspicks.com/news/10060168/
<追記終>生成AIが進展していった際にメディアというビジネスはどうなるのか、というのは何度も考えてますがとても難しい問い
普通に考えると価値はどんどんテクノロジーに吸い取られ、人間が取材して何かを書くことに対して払われる対価は減っていってしまう未来が想像できてしまうし、openAIとの提携を「悪魔の契約」と読んでいるのは基本的にはそういう思想がベースにあります
一方で「信頼できる一次情報」を社会的に誰が取得し、選別するのかという問いを立てるとなかなか答えがない
フェイク情報や、変に学習して曲がった情報が洪水のように溢れていく中で、情報の取得と選別にコストをかける信頼がある主体が付加価値を乗せて情報を流通させられるようになるのが理想なんでしょうがなかなか難しい
やっぱりそういう機能もAIが代替していくんでしょうかね