2024/5/26

【証言】経営陣が現場を軽視。ボーイング「凋落」が始まった瞬間

アメリカ最大の航空機メーカー「ボーイング」。
高い技術力を誇り、日本の国産ジェット開発でも同社の元技術者を招聘し教えを請うたこともある。
そんなモノづくりのお手本だったボーイングだが、最新の小型機「737MAX」は2度の墜落事故と、大型部品の落下事故を起こした。
背景には、不適切な手順で飛行機の製造を行うなどの、現場の「劣化」があった。
ボーイングはなぜ「安全文化」を失ってしまったのか。
米議会から委託を受けてボーイングの安全文化の調査に当たった24人の専門家委員会の一人で、2019年の墜落事故で姉を亡くした遺族の一人でもあるマサチューセッツ工科大学(MIT)講師のハビエル・デ・ルイス氏が、NewsPicksの取材に応じた。
ハビエル氏は「もう一度事故を起こす事態になるまで、ボーイングは変わらない」と語る。一体どういうことなのだろうか。
INDEX
  • 部品脱落事故も「驚きなし」
  • 経営陣と現場の意識が違いすぎた
  • 「最悪」の本社移転
  • 内部通報システムも有名無実化
  • 「報復からの保護」が必要
  • 2社独占だから、意識が変わらない
  • 必要なのは「社員の尊敬」

部品脱落事故も「驚きなし」