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高確率で患者は死に、後遺症に苦しむ…トンデモ外科医"竹田くん"をクビにせず雇用し続ける病院の言い分
髙橋 宏瑞順天堂大学医学部総合診療科 准教授
記事の後半にある、能力に関わらない報酬体系は事実で、医師であれば一律に給料が得られます。さらには、多くの検査をして、大量の薬を処方する方が得られる収入が多くなるため、無駄な検査や処方をする医師の方が収入が増えるジレンマもあります。
全国的なカルテの共有などにより、医師に紐付く公共データなどが生まれれば、どの様な医師なのか把握できますが、それもわかりません。竹田くんの事例も、本来は病院から外には出ない情報であり、この様な事例が他にあってもおかしくありません。
繊細な情報管理が求められるため容易ではありませんが、多くの医師が目指すべき医師像が自己満足でしかなれないのでは無く、あらゆる人がその医師像に幸福を感じる様な環境設計を進めていただきたいと感じています。現状は、あの医師はすごいけど、あの生き方は出来ない、という状態の様に見えます。
【連休明けに涙が止まらない】「会社に行きたくない!」を軽減させる、たった1つの考え方とは? - 頭んなか「メンヘラなとき」があります。
髙橋 宏瑞順天堂大学医学部総合診療科 准教授
いろんな考え方があると思いますが、記事にある提案では、大前提として仕事は120%こなさなければならない提案をされている様に感じます。休みの日の時間を仕事のために使うのは個人的には良い解決法とは思いません。
もっと気軽に、明日は気分的に辛いから午後休を取ろうとか、少し仕事量をセーブしようとか、仕事をコントロールする事で辛さを半減できる環境が重要だと思います。こう言ったやり方ができない環境にいる場合、それ自体が仕事に対する辛さを助長している様に思います。自分の体調に合わせて、まずはNOを言う勇気が重要です。どうしようもなく辛くなった場合は、メンタルクリニックを受診して、休養しましょう。
連休明けに仕事に行く嫌な感じは私も共感できますが、そこまで辛くないのは自分である程度仕事をコントロールできるからだと感じています。
「指に針を突き刺して…」決死の内部告発!『脳外科医 竹田くん』のモデル医師が吹田徳洲会病院で「デタラメ診療」連発、院内は大混乱
髙橋 宏瑞順天堂大学医学部総合診療科 准教授
どのケースを見ても、典型的なやってはいけない事を実践しており、わかりやすい失敗例の一覧という印象です。
以前は研修医が特にトレーニングを受けずバイトとして様々な病院で当直をしていた事がありましたが、徐々にその様なケースは減ってきている印象です。まともな病院でまともにトレーニングを積めば、基本的にはやってはいけない処置の代表例ばかりなので、これが日本の研修医に向けた注意喚起であれば大成功ですが、実際に起きた事故だとすると大変な事です。
これら全てを実践してしまっている医師がいるとすれば、もっともっと勉強して、もっともっと慎重に医療に取り組まなければなりません。
アセトアルデヒドがDNA損傷 飲酒ががん引き起こす可能性
髙橋 宏瑞順天堂大学医学部総合診療科 准教授
アルコールと癌の関係性はすでにわかっていることであり、そのメカニズムに関する知見が得られたという報告です。
少量のアルコールは体に良いという噂が流れていますが、今の所、少量であってもメリットよりも癌のリスクの方が高いとされています。
Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990–2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)31310-2/fulltext
患者と医師「女性同士」が有益 東京大など調査、死亡率など低く
髙橋 宏瑞順天堂大学医学部総合診療科 准教授
2017年、津川友介教授の研究が全米で注目されました。この研究は、高齢の入院患者を治療した際、女性医師による診療の方が男性医師に比べて死亡率と再入院率が低かったと報告しています。
考察では、女性がエビデンスに基づいた医療を提供し、患者とのコミュニケーションが密接であること、複雑な問題に積極的に取り組む姿勢、そして先行研究によると女性の一般的な医療の質の高さが挙げられています。
日本の多くの医学部が男性を優遇する問題がありましたが、津川教授の研究や東京大学の論文を通じて、女性医師の重要性が再認識されることでしょう。
私が参加するアメリカのSociety of Hospital Medicineでは、理事の半数以上が女性です。対照的に、日本では教授や学会長のほとんどが男性で、男性中心の社会構造が明らかです。
個人的見解として、男女の遺伝レベルでの違いを認めつつ、どちらが優れているかを競うのではなく、それぞれの得意分野や苦手分野を理解し、男女の差異をマクロ的にも個人レベルでも捉えることが重要だと考えます。
参考:Tsugawa Y et al. Comparison of hospital mortality and readmission rates for Medicare patients treated by male vs female physicians. JAMA Intern Med. 2017:177(2):1-8.
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2593255
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