「日本が経済規模でドイツに抜かれた」は本当?「日本ダメ」論が好都合な人たちの事情 - ニュースな本
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注目のコメント
正視に耐えかねる記事です。pickすることで広めてしまうことも躊躇しましたが、重要な点だけ指摘しておきます。
まず、本当?も何も統計の実績値でそうなっているので問いかける論点としておかしいというのが1点。あと「何故実質ではなく名目なのか」という言及も見られていますが、「名目ベースで初めてそうなった(逆転した)」という事実にニュースバリューがあるわけで、実質を故意に避けたわけではないでしょう。ちなみに実質でも差は縮まっています。もっと言えば、過去10年、20年平均の日独成長率もかなり乖離があって、為替効果が無かったとしても差は縮まっています(逆転はしないでしょう)。
また、「コロナ感染症が確認されWHOがパンデミック宣言した2020年3月のドルの最安値101円で計算すると、633兆円÷101=6.2兆ドルと嵩増しされる」とありますが、今156円の状態でその計算に何の意味があるのかもさっぱりわかりませんでした。101円に根拠はあるのでしょうか。ちなみに今次円安局面の起点が113円なので、それよりもさらに1割円高の水準を取るのも?と思いました。
他にもすべてがツッコミどころ満載でしたが、やめておきます。
ダイヤモンドは他に聡明な識者の方々が沢山書かれているのでもう少し論者をよく考えた方が良いのではないかと思います。確かに、この2年ほどのドイツの名目GDPの強さは、ドイツ経済の実質的な強さを反映してはいないと、私は考えています。現に、ドイツの潜在成長率は0・5%程度まで低下しており、構造的な低成長に陥ったという見方が有力です。
他方で、日本経済が真の意味で強ければ、つまり利上げが可能な環境であれば、円がここまで売られることはなかったと考えられます。日本は円安政策を取ったというより、取らざるを得なかった、放置せざるを得なかったという理解です。
一番正しい理解は、ドイツは褒められたものではないが、日本も全く褒められたものではないというところでないかと思います。