2024/5/20

【直撃】三菱商事社長が語る「1兆円稼ぎ続ける企業の作り方」

NewsPicks 編集部 記者
商社の雄、三菱商事が「めちゃくちゃ稼ぐ会社」に変わろうとしている。
コロナ前は5000億円程度だった純利益はここ数年で倍増し、コンスタントに「1兆円レベルの利益」を稼げる地力がついてきた。
稼いだ利益を積極的に株主還元に回し、2024年3月期には配当と自社株買いを合わせた総還元性向は90%を超えた。
そんな「変化」を敏感に感じ取り、株式市場での評価はうなぎ上り。
株価は1年間で2倍になり、2024年に入って時価総額は一時、総合商社として初めて15兆円を突破している。
爆増した稼ぐ力を支えているのは「資源高」「円安」といった外部からの追い風だけではない。
ここ数年で進めてきた構造改革が実を結びつつあるのだ。それを主導するのが、2022年に就任した中西勝也社長だ。
象徴的だったのが、2024年2月に発表したローソン株の一部売却。KDDIとの共同経営に切り替え、子会社から外すと発表した。
社長就任2年目の売却について、SMBC日興証券の森本晃シニアアナリストは「その決断の速さに、正直、びっくりした」と話す。
財務基盤は盤石で、事業ポートフォリオのバランスもいい。一方で「官僚的」ともやゆされがちな三菱商事をどう変えようとしているのか。
「商社は今、次のステージに向かっている」と語る中西社長に「新しい商社像」について聞いた。
INDEX
  • 「1兆円企業」になれたワケ
  • 爆増したキャッシュ創出力
  • だから今、商社が強い
  • 投資の神様からの「問い」