シャープ、９月までに堺工場停止 テレビ液晶パネル、赤字１４９９億円

コメント

注目のコメント

• 稲葉 祐樹

  大手車載部品メーカー　次世代製品設計担当部署 課長　博士（工学）

  ・2024年05月19日

  半導体業界では直径300mmのウエハを用いた生産を確立するのにも多くの苦労があります。
  ウエハの搬送1つをとってもノウハウの積み重ねの部分が大きいのが実態です。
  常々液晶パネル業界を横目に
  「あんなに大きなパネルを使って歩留まり高く生産するのは大変だろうなぁ」
  と感じていました。
  
  液晶業界と半導体業界とでは求められるクリーン度や許容パーティクルサイズに差があるとは思いますが、堺工場をはじめシャープで培った技術を広い目線で異業種展開できるような働きかけがあっても良いと思っています。
  
  今であれば、チップレットやヘテロジニアスインテグレーションといった言葉で表現されることが多い技術領域においてガラスを用いた配線基板のプレゼンスが高まっています。
  大型のガラス基板を用いた生産性向上をまさに手掛けているところなので、国を仲介役とする繋がりが生まれても良いのではないでしょうか。
  ちょうど後工程を意識したRapidusへの追加投資も決まったことですし、その仲間にシャープを入れる議論があってもおかしくないと思います。
  台湾資本（鴻海）が入っているシャープは仲間に入れづらいという議論もあるかもしれませんが、半導体の文脈で台湾企業と組むことは悪い話ではないでしょうし、そもそもIBMの技術を吸収して2nmの技術確立を目指すくらいですから、積極的かつ戦略的に海外資本と組む動きがあっても良いと感じます。
  （あくまでも戦略をもちながら、が重要で、手当たり次第海外と組むと技術だけ抜かれるので要注意ですが）
• 中野 優作

  株式会社BUDDICA 代表取締役

  ・2024年05月14日

  電化製品のように機能を売り続けることが、どれほど難しいかよく分かる。Panasonicのように家電の域を超えた開発を続けつつ、どこにも負けない家電製品を作ることの凄まじさが分かる。家電は日本企業のストロングポイントなので、中国勢に負けないように、自動車のように技術を共有して世界戦をやってもらえれば嬉しい。
• Kato Jun

  ユーザベース SPEEDAアナリスト

  ・2024年05月15日

  下記が今回発表された中計の資料。見たが、残念な思いを感じずにはいられない。
  特にスライド7の「マネジメントの強化を図るとともに、負のサイクルから脱却し、持続可能な収益構造の確立が急務」。負のサイクルというのはデバイス事業が、技術・向上への投資が不足し、成長分野の開拓が進まず業績が低迷することを特に指しているように窺える。
  でもこれは液晶で負けが込んだ2010年代前半には分かっていたこと。というか分かる人には堺の投資時点で分かっていたことで、投資余力に勝るSamsung・LGが液晶に本格的に投資をし始めていたから（そしてシャープが他国ではなく日本で堺G10投資を決めて、Samsungトップのイ・ゴンヒが狂喜乱舞したという嘘か本当か分からない噂もあるくらい…なぜならハイリスクだから）。だからHon Haiと提携せざるを得なかった。
  その後、Hon Haiおよびテリー・ゴーとの間でSDPについて売却や取得が何度も繰り返された。直近では2022年に子会社化したが、この投資が不足する資本体力の構造はとっくに見えているのに、大規模工場を買収することに全くの合理性がない。なのに、自らまた分かりきってる負の構造に突っ込み、最後はこの着地になってしまった。
  最初のリスクテークは、まだ勢いがある時期だし、自社要因ではなく円高もあった（とはいえ、一国に集中してしまった意思決定は自社のもの）。そして、その後は会計上の利益のために無理に稼働を上げて在庫減損のサイクルだったりもあった。
  
  不正会計こそないものの、東芝と同じレベルの失敗の塗り重ねで、また同じように現実を直視できない様々な内部的なしがらみがそれを引き起こしたように見える。もちろん、現場中心にそれぞれ精一杯頑張られている方は大勢おられるだろうが、結果として従業員含めたステークホルダーの不幸せに経営のエゴがつながったと見え、ただただ残念に思う。
  https://corporate.jp.sharp/ir/event/policy_meeting/pdf/240514pre.pdf