シャープ 大阪 堺市でのテレビ向け大型液晶パネルの生産停止へ
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チャレンジの終焉を感じるし、シャープの液晶での戦略や、そこでの失敗からの立て直しについての戦略について考えさせられる。
液晶や半導体は巨大な設備を使うので、「赤字でも稼働させる方が売上が立ちCF的にはマシ」ということがあり、それが安値競争にもつながる構造。
堺・SDPはもうすでにかなり減損は進んでいると思い、このよう利益とCFの差分は少ないと思うが、業績改善には人件費など残っている固定費についての対応も必要。
ここからは歴史の話。
シャープは、ソニー・パナに比べてブランドも資本体力もなかった。そこを液晶に絞り、亀山モデルによって先行し飛躍した。ただ、FPDはプラズマではなく液晶と大勢が決まっていく中で、まずは韓国メーカー、そして次に中国メーカーが巨額の設備投資で台頭した。シャープは、亀山モデルでブランド面含めて成功したことで、パネルを外販ではなく自社の完成品に使うことに拘った。
堺はG10とよばれるサイズのガラス基板を使う世界最初の工場だった。大きいガラス基板ほど大型の液晶パネルを低コストで理論的には作れる。ただ、そうならなかった。なぜかというと、前述のように資本体力に勝る韓国メーカーなどが投資をしまくったこと、円高でコスト競争力が完成品・部品の両方で減ったこと、自社モデルに初期は拘ったがその販売力が弱くて稼働率を上げられなかったことが主。そしてこれらへの対処が遅れ、作りすぎて在庫減損というサイクルになり、Hon Hai傘下になった。
そこからだが、Hon Haiのトップのテリー・ゴー氏の投資会社が過半を持ったり、その後2022年度から再度連結したりと、状況が定まらなかった。シャープが液晶テレビの開発に着手したころは、他社のエンジニアからは、液晶などモノになるわけがないと思われていたそう。また、AQUOSブランドの立ち上げを担った北田さんの著書は、私にとってマーケティングのバイブルのひとつとなっています。
液晶パネルが革新的な製品で、ビジネスとしても成功した事例であることは明らかだと思いますが、終わらせ方の難しさを痛感します。昔は液晶テレビといえば、シャープのAQUOSだったのに。。国内工場閉鎖とは歴史を感じる。ホテルに行くとたいたい入ってるテレビはサムスンかLGになってきてたので、価格競争では厳しいんだろうなとはおもってましたが