(ブルームバーグ): 米アップルは今年、自社製プロセッサーを搭載したデータセンターを通じて人工知能(AI)機能の一部を提供する。AIを同社のデバイスで使えるようにする取り組みの一環。

アップルは、パソコン「Mac」向けに設計したものと同様の高性能チップをクラウドコンピューティングのサーバーに搭載する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。このサーバーは、最先端のAI機能をアップルのデバイス上で利用できるよう設計されるという。よりシンプルなAI関連機能については、「iPhone」や「iPad」、Macで直接処理される見通し。関係者らは、この計画がまだ公になっていないとして匿名を条件に語った。

アップルは、自社製チップを利用し、クラウド上でAIタスクを処理するという計画を約3年前に立案。だがオープンAIの「ChatGPT」やグーグルの「ジェミニ(Gemini)」で加速したAIブームを受けて、計画の前倒しを迫られた。

最初のAIサーバーチップは、「Mac Pro」や「Mac Studio」向けとして昨年発表された「M2ウルトラ」となる見通し。ただアップルは「M4」チップをベースとした将来バージョンに既に目を向けているという。

iPhoneでの受信通知や受け取ったテキストメッセージの要約を伝えるといった比較的単純なAIタスクはデバイスに内蔵されたチップによって処理される可能性がある。一方で、画像の生成や長文のニュース記事の要約、電子メールでの長文の回答作成といったより複雑な作業については、クラウドを利用したアプローチが必要となりそうだ。また音声アシスタント「Siri(シリ)」の改良版についてもクラウドベースでの対応になるとみられる。

アップルの担当者はコメントを控えた。

関連記事:

  • アップル、待望のAI戦略発表へ-6月10日から世界開発者会議を開催

原題:Apple to Power AI Tools With In-House Server Chips This Year (1)(抜粋)

(第3段落以降に背景や詳細を加え、更新します)

More stories like this are available on bloomberg.com

©2024 Bloomberg L.P.