円安で「金融政策の正常化が速まる可能性」
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今回の「主な意見」では、物価に関する議論の中で、多数のメンバーが基調的物価の上昇リスクを指摘し、政策金利の前倒しないし想定以上の引き上げの可能性を示唆した点が注目されます。
これらの見解はあくまでも将来について言及しているので、その意味ではMPM直後の植田総裁の会見と矛盾してはいませんが、印象やトーンという意味ではやや異なる印象を受けました。
加えて、量的質的金融緩和に伴う大量の保有資産の削減についても、多くのメンバーが議論を提起したことが目立ちます。
このうち、ETFについてはやや長期的課題との位置付けがされましたが、国債については、フローの買い入れ額の抑制だけでなく、適切な保有量や準備預金量との観点から、ストックの残高についても圧縮に着手すべきとの意見が注目されます。
つまり、事前に一部のメディアが報道したように、4月のMPMにおいては、執行部が主導する形で、量的引き締め(QT)に関する論点も明示的にアジェンダであった可能性があります。
上記の全体を踏まえると、4月のMPMでの議論は全体として想定以上にタカ派、かつ正常化論が支配的であった印象を受けます。