2024/5/5

【今知りたい】日本が100年前に経験した円安政策の「失敗」

NewsPicks編集部
戦前の日本で、日銀総裁、首相、そして蔵相を7回務めた高橋是清。
幕末の江戸に生まれ、海外で資源開発に挑戦し、日露戦争の戦費調達に奔走、政治家・財政家として活躍し、二・二六事件で命を落とした。
その人生は実に波瀾万丈。こんなにもたくさんのことをやり尽くした人はそういないだろう。
同時に、これほどまでに評価が定まらない人も珍しい。
戦前の防衛費拡大への道を開いた悪人と評価されたこともあれば、「日本のケインズ」とたたえられることもある。近年は、積極財政のアイコンとして度々名前が挙がった。その評価は時代の中で常に揺れ動いてきたのだ。
そんな高橋是清の生涯を追った『国家の命運は金融にあり 高橋是清の生涯(上・下)』(新潮社)が4月に発売された。
なぜ今、高橋是清なのか。高橋是清とはどんな人物だったのか。是清を調べ尽くした著者の板谷敏彦さんに聞いた。
INDEX
  • 「アメリカで奴隷になった」真相
  • 海外の資源開発に投資して失敗
  • 非エリートを成功に導いた「武器」
  • 円安政策の功罪
  • 揺れる「高橋財政」の評価
──高橋是清の評伝を書こうと思ったきっかけは何ですか。