イスラエル、エジプトに代表団派遣へ ガザ休戦で交渉本格化

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• 村上 和巳

  フリージャーナリスト

  ・2024年04月30日

  少なくとも今回のイスラエルが行った提案は、本気度が高いと見えます。背景には1つには人質家族などからの突き上げ、もう１つには軍事作戦の停滞があると思われます。
  
  この２つは実はある意味で関連しています。イスラエルにとっては今回の軍事作戦はハマス壊滅と同時に拘束された人質の奪還という2つを実現するという意図があります。
  
  これまでのイスラエルの軍事行動の歴史を見れば、軍事作戦による人質奪還は確実に選択肢の中にあるはずです。しかし、今回のガザ侵攻以降、軍事的に人質が奪還された事例はほとんどありません。
  
  つまりガザに張り巡らせたハマスの地下要塞の状況をつかみ切れていない、あるいは一部はつかんでいても人質を軍事的に奪還することが困難な環境にあると想像できます。
  
  この状況でネタニヤフ政権に対する人質家族を中心とした世論の突き上げは増し、国際世論もイスラエルに批判的になっています。
  
  ならば一定の譲歩をしてもまずは人質を取り戻すことに舵を切ったと見ることができます。
  
  ハマスも今回の提案には前向きのようですが、このイスラエル提案が行われた後に最新の人質の映像を公開するという動きを行っています。イスラエル世論に対する揺さぶりとも思えるこの動きから考えると、ハマスはイスラエルに対してもう一段の譲歩を迫ってくる可能性があります。