ベンチャー優遇を批判する人には「バカヤロウ」と言いたい

2015/6/1
アベノミクス第3の矢、成長戦略の要として岩盤規制を打破するために設けられた「国家戦略特区」。なかでも福岡市はグローバル創業・雇用創出特区として注目されている。事実、福岡市は「ベンチャーの街」としての認知が進んでおり、官民一体となった改革を推し進めている。
NewsPicks編集部は福岡市の舵取り役である髙島宗一郎市長にインタビューした。髙島氏が語る、シェアリングエコノミー、そして新たなベンチャーと行政の在り方とは。

行政や政治と一緒になることで、ベンチャーは加速する

──既存の方法にとらわれず、新たなサービスのかたちを生み出すベンチャーに対して行政はどうあるべきか。
髙島 行政はこれから変わる必要がある。労働人口が減少し、高齢者が増加していく中で、行政サービスの財源はますます限られてくる。私は、起業家に会うたびに「もし彼らが行政や政治の知識を持っていれば、どれだけ多くのことができるのだろう」と痛切に感じる。
つまり、起業家の多くは不可能を可能に変える技術は持っているのだが、社会に出すためにどのように応用すればいいのかが苦手である。
ベンチャーが成長するためには政治に関わっていくことが間違いなく重要。たとえば、「セグウェイ」。世界を変えるほどのインパクトを秘めたベンチャーが現れ、今までになかった乗り物が開発された。
今や、アメリカでは警察も導入しているのに対し、日本では公道を走ることができず実用的な例はほとんどない。ベンチャーが新しい技術やサービスを開発しても、これを上手に活用することができる社会のルールがないと、ビジネスにつなげることができず、ベンチャーは存立し得ない。