(ブルームバーグ): マイクロソフトが25日発表した1-3月(第3四半期)決算で売上高と利益が市場予想以上に伸びた。クラウドや人工知能(AI)向け商品に対する法人需要に支えられた。

発表資料によると、1-3月の売上高は17%増の619億ドル(約9兆6300億円)、1株利益は2.94ドル。アナリスト予想平均は売上高が609億ドル、1株利益は2.83ドルだった。

サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、マイクロソフトの全製品ラインに提携先オープンAIからの技術導入を進めている。文書要約や新しいコンテンツ生成のAIツールを業務用ソフトウエア「オフィス」に追加したり、オープンAI製品付きのクラウドサービス「アジュール」サブスクリプション契約に動いたりする顧客もあり、こうした取り組みの成果が出始めている。

シノバス・トラストのシニアポートフォリオマネジャー、ダン・モーガン氏はマイクロソフトについて、「生成AIに関する売上高が既に株価のけん引役になっている。成功に向け、絶好の位置に付けているようだ」と指摘した。

アジュールの1-3月売上高は31%増。伸び率は市場予想平均の29%を上回り、前期の30%から若干上向いた。売り上げ増にAIが占める割合は約7%で、前期の6%から上昇した。

同社によると、アジュールの4-6月(第4四半期)成長率は30-31%の見通し。ブルームバーグのアナリスト予想の29%を上回った。来年度の売上高と営業利益は10%強の伸びを見込んでいる。

商業用クラウド製品の1-3月売上高は23%増の351億ドルだった。将来の売上高の指標とされるコマーシャル・ブッキングは29%増となり、エイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は「われわれが予想していた水準をかなり上回った」とインタビューで述べた。

マイクロソフトの株価は通常取引終了後の時間外取引で一時、約5%上昇した。

同社はAIサービスの需要増に対応するため、データセンターのグローバルネットワーク拡大に多額の投資を進めており、1-3月の設備投資は140億ドルに達した。フッド氏は「AI需要拡大が続いており、われわれもそれに見合った取り組みを続ける」と表明した。

フッド氏はアナリストとの電話会議で、設備投資が1-3月の140億ドルから「大幅に」増加すると予想。また、来年度の設備投資額も前年度を上回るとの見通しを示した。

原題:Microsoft Sales, Profit Beat Expectations on AI Demand (3)(抜粋)

(4段落目以降に市場関係者やCFOの発言を追加し更新します)

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