【緊急解説】イスラエル、イランに報復。これから何が起こるのか
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中東戦争とは、第1次の1948年から第4次1973年まで、エジプトをはじめとするアラブ諸国とイスラエルが戦うものでした。
現在のイスラエルがいう「長い戦争」は、パレスティナが争点になっている点では、4次に渡る中東戦争と同じです。
しかし、今回は、アラブ諸国は1つもイスラエルに対して宣戦していません。
イランが一方の主役であることが、過去の4次に渡る中東戦争と違う点です。
4月13日にイランがイスラエルに対して300以上のミサイルとドローンを放った際、イスラエル軍や米英仏軍とともに、サウディアラビア軍とヨルダン軍も撃墜に参加し、イスラエル防衛に参加しました。
今回は、アラブ諸国は、口頭ではイスラエルを非難しているとはいえ、行動においてはむしろイスラエルの味方です。戦況がどうなろうと、アラブ諸国がイスラエルに宣戦することはほぼ考えられません。
イランは、民族的にはペルシア人、宗派としてはシーア派が多数派で、イラン・イラク戦争で1980年代にアラブ諸国と戦ったように、アラブ諸国との関係は良好ではありません。イラクとシリア、イエメンの政府は、同じシーア派が多いこともあり、イランの影響下に置かれていますが。
この「長い戦争」は、ガザ地区での戦闘と同時並行で、中東各地で戦闘が起きていきます。
イランに対して釘を刺したイスラエルは、次はガザ地区の最南端、ラファ市での掃討作戦を開始します。4月19日のイラン本土への攻撃は、米国との調整の結果であり、交換条件として、ラファ市での掃討作戦開始を米国が(非公然に)承認し支援することになっています。
その後は、最大の戦線はレバノンのヒズブッラーとの戦闘に移っていくでしょう。
イランは、正面からイスラエルとやりあう覚悟も準備もなく、傘下の勢力を使った非正規の攻撃をイスラエルに対して続けていくでしょう。
レバノンのヒズブッラーやイエメンのフーシー派は従来通り活用されますが、イランが狙っているのは、ヨルダン川西岸地区とヨルダン国内のアラブ人の間に傘下の勢力を増やし、イスラエルへの非正規な攻撃を増やしていくことです。
イスラエル軍は、イラン陣営からの攻撃を根絶するため、そちらにも兵力を割くことを強いられるかもしれません。イランとイスラエルは世界で最もお互いを憎しみ合う国同士です。イスラエルがこれまでアメリカの強力な後ろ盾の元で動いてきた一方、イランはイラク、シリア、レバノン、イエメンといった具合に中東全域に「親イラン組織」という名の手下の武装組織を携えています。
今回、直近の動きを見ると
①イスラエルがイラン大使館を空爆
↓
②イランが報復のミサイル・ドローン攻撃
↓
③イスラエルがさらに報復の攻撃
という流れになっています。
次のボールは今、イランが持っていると状況と言えます。イランが今回の③を深刻に捉え、中東にいる親イラン組織も携えながらイスラエルに反撃した場合、それは本当に地域を巻き込んだ戦争になります。
本当にそうなるのか、その場合どんなシナリオが考えられるのか。専門家への取材をベースに動画で解説しています。昨日のイスラエルの報復で株価も大きく影響を受けています。この先事態はどう進むのか、キアラシ記者が解説します。
※動画の収録は日本時間19日(金)19:00頃に行いました。