2024/4/12

【警告】残業規制で、物流業界の人手不足が逆に「加速」する

NewsPicks編集部
今年4月から、トラックドライバーの時間外労働について年間960時間までという上限が設けられるようになった。
働き方改革による人手不足が懸念されていた「物流の2024年問題」が、今月からついに本格化したのだ。
メディアや政府の発信により2024年問題を知る人は増えつつあるが、フリーライターの橋本愛喜氏は、問題の質を「決定的に」誤解している人が多いと危惧する。
橋本氏はこれまで、全国を走るトラックドライバーの生の声を聞き、エッセーにまとめてきた。
自身も、大型自動車一種免許を持ち、過去にドライバーとして日本各地を走った経験を持つ。
果たして彼女が危惧する「決定的な」誤解とは何なのか。物流業界が置かれている状況を語ってもらった。
INDEX
  • 2024年問題は、宅配問題じゃない
  • 積み下ろしまでの最高時間は・・・
  • 不健康な「車中泊」を減らせ!
  • 長時間労働が、苦じゃない人だっている
  • 改革の方向性がナンセンスだ

2024年問題は、宅配問題じゃない

──この4月から、残業時間の上限規制が物流業界にも適用されました。他業種では2019年から適用された中、この業界では5年間の猶予がありましたが、十分な対策は取れているのでしょうか。
橋本 端的に言って、対応は遅れていると思います。
岸田文雄首相が「持続可能な物流業界」を目指す関係閣僚会議を初めて開いたのは、2023年の3月31日でした。
物流業界の実態を考えると、遅すぎると言わざるを得ません。