【新発見】カマキリを操る寄生虫。その驚きの戦略とは
コメント
注目のコメント
ハリガネムシを知っていますか? この寄生虫に乗っ取られたカマキリは、行動を操られ、川や池に自ら飛び込んでしまいます。ハリガネムシの生態自体も面白いのですが、どうやってカマキリを操っているのか、その謎に迫る最新の研究成果をご紹介します。
知っていますか?と書いておいて恐縮ですが、私はこの生物を今回の取材で初めて知りました。カマキリの胴体部分をほぼ占有するまで成長するという話に戦慄しました……。取材・執筆を担当しました。
昆虫に寄生し、その行動を操る。それが今回の主役ハリガネムシです。なぜそんなことが可能なのか? どうやってそんな進化が実現したのか?
その謎の一端が解明されました。鍵を握るのは「遺伝子の水平伝播」という現象です。
遺伝子の水平伝播は実は意外に広い生物種で起きていて、地球生命の進化にとって重要な役割を演じているのかもしれません。佐藤先生の過去のご研究には、ハリガネムシに寄生された陸生昆虫の入水が、河川の生態系に大きく影響している、というものもあります。
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/archive/prev/news_data/h/h1/news6/2012/120525_1
要するに大変な数の昆虫が水に飛び込んでいるということです。ハリガネムシおそるべし。
今回の記事で紹介されているのは、遺伝子の水平伝播という、最新の研究成果であり、行動操作のメカニズム解明の入り口でもあります。とてもワクワクします。
この仕組みの研究によって、ハリガネムシの生態や山川の生態系が明らかになるとともに、もしかするとゆくゆくは人間の遺伝病の治療等にも繋がっていくのでしょうか。さすがにカマキリと人間とでは違いが大きすぎるので、まだSF的な連想ではありますが……