(ブルームバーグ): ゲーム大手スクウェア・エニックス・ホールディングスで、「ドラゴンクエスト」シリーズの責任者を務めていた三宅有氏が異動し、担当を離れたことが分かった。

複数の関係者によると、三宅氏はスマートフォン向けゲームを扱う新設されたスタジオの責任者に就任した。4月1日に行われた大規模な組織再編の一環として実施された。

スクエニHの広報担当者はブルームバーグの問い合わせにコメントを控えた。

スクエニHは、ユーザーや市場関係者から、ゲームの質や売上本数などについて疑問の声があがっていた。昨年社長に就任した桐生隆司氏を中心に、ゲーム開発体制の抜本的な見直しを進めている。体制を見直すことで組織の活性化をはかり、低迷する販売のてこ入れにつなげる。

スクエニH、ゲーム開発体制を抜本的に改革へ-桐生社長

桐生氏は2月に投資家向け説明会で、外部開発リソースへの依存を減らし、超大型予算の「AAA」クラスのゲームにより注力するため、新たな経営体制を準備していると述べた。同社は5月に新たな中期経営計画を発表する。

関係者によると、三宅氏の後任にはヒットシリーズの「NieR(ニーア)」で知られる齊藤陽介氏が候補とされている。

報道を受けて、スクエニH株は一時前日比1.3%高の5560円をつけ、終値は同0.9%高の5537円だった。

東洋証券の安田秀樹アナリストは、かねて桐生氏が4月から新体制を敷くとしていたが発表がなく、「疑心暗鬼が広がり始めていたタイミングだった」と説明。改革が予定通り行われていることが分かり、投資家の安心材料になったのではないかと指摘する。

最新作となる「ドラゴンクエスト12」は2021年に発表されたが、その後は発売時期などに関する追加情報はない。

--取材協力:照喜納明美.

(アナリストのコメントなどを追加して更新します)

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