AirbnbにUber、勃興する「ユニコーン」の影にペイパルマフィア

2015/5/25
ベンチャーキャピタルなどから多額の資金を得て、10億ドル以上の企業価値を誇る非公開IT企業「ユニコーン」。Airbnb(エアビーアンドビー)、Uber(ウーバー)などがその代表例だ。これらのユニコーンの経営に共通してかかわっているのが、ペイパルを産んだ創業メンバー、通称「ペイパルマフィア」である。ニューヨーク・タイムズのレポートを通じて、ユニコーンの全貌と、その躍進を支えるペイパルマフィアの先見性、千里眼に迫る。

企業価値10億ドル以上の「ユニコーン」たち

次世代のシリコンバレーのスタートアップ企業として注目を集める配車アプリのウーバーや、空き部屋を貸し出すサイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」などによって、人々がインターネットを使う方法が一変しつつある。
それだけではない。非公開企業が上場せずにどれほどの資金を調達できるかについての期待感も変わりつつある。
「ユニコーン」として知られるこれらの非公開IT企業は、ベンチャーキャピタルやヘッジファンド、プライベート・エクイティ会社、ミューチュアル・ファンドから資金が流入し、企業価値が10億ドルを上回っている。
ウォール街の資金がこれらの企業に流入するのと並行して、よく知られた面々が、目に見えないところでユニコーンに助言や投資を行っているほか、ユニコーンを創業するケースもある。
現在、最も高い評価を得ている非公開IT企業の多くに、「ペイパル・マフィア」──2002年に株式を公開し、イーベイに買収されたオンライン決済会社ペイパルの創業に関わったメンバーがこう呼ばれる──が関与している。