2024/4/1

日本製鉄新社長が語る2兆円買収の「勝算」

NewsPicks 編集部 記者
2兆円を投じてUSスチールの完全子会社化を決めた日本製鉄。今年9月までの買収合意に向けて対応を進めている。
だが、全米鉄鋼労働組合(USW)が買収への反対を表明。
さらに、大統領選挙を控えたバイデン氏、トランプ両氏が労組を支持する発言をするなど政治問題化して混迷している。
鉄鋼業界は、脱炭素対応も迫られている。
鉄は1億トンつくるのに約2億トンのCO2を排出する。CO2の排出量を減らすには、主要原料である石炭の使用料を減らす必要がある。
産業革命以来、250年近く続いてきた鉄の製造方法を根底から変えなければならない。
世界ナンバー1に向けた巨額買収、脱炭素への技術革新など、さまざまな難題に日本製鉄はどう対応していくのか──。
USスチールの買収を先導した橋本英二会長からバトンを受け取る形で4月、技術者出身で高炉の休止など国内の生産構造改革を進めてきた今井正氏が新社長に就任した。
大きな変化を迎える日本製鉄をどう舵取りしていくのか。
今井新社長に①USスチール買収の行方、②脱炭素の処方箋、③大幅賃上げの狙いについて方針を聞いた。
INDEX
  • 持てる技術をすべて投入
  • 産業革命以来の技術革新
  • 協力会社の賃上げに波及