小林製薬株、ストップ安 製品自主回収で売り殺到
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企業は、3月22日の記者会見で、「原因は未知の物質によるものの可能性があり、特定もできておらず、自社サプリの製造ラインで異物が混入した可能性も否定しない」と発表していました。ここに原料として供給した企業に対する配慮する意図があったのであれば残念な考え方で、このケースでは株価はむしろ悲観的に反応します。
問題の原因が判明し、特定の製造ロットであれば対象範囲は限定されますし、仮に当該食品で毒性を示す原因物質が自然由来で、混入が避けられない物質だとするならば、品質基準を設け、設定閾値を超えた場合だけを回収対象にすることも可能です。
なお、問題が疑われる製造ロットについては、3月25日付で第2法として企業報告がありました。
https://www.kobayashi.co.jp/newsrelease/2024/20240325/
日本では、サプリメントは食品のカテゴリーで販売できます。これを企業は「動物実験や臨床試験(今回の場合は特に毒性試験)」を行わずに済むメリットと考える傾向があります。私が意見を求められるある種の「事業化プロジェクト」などでも「食品で出したい」との声がよく聞かれます。
サプリメントが、「医薬品のような有用性の証明はされていないながらも、医薬品のような作用を期待されている」ものですから、製造上の問題も含め、一般の食品よりはリスクが高い物質と言えるでしょう。
結果論ですが、しっかりした毒性試験が実施されていれば、今回のような事故は防げた可能性があります。ただ、他の食品カテゴリーのサプリメントも同様に毒性試験はほぼ行われていないはずですから、その意味からは、小林製薬は運が悪かったということにもなります。おそらく、今後は、医薬品と比べれば簡易な方法ながら、サプリメント全体に対し、何らかの規制がかけられると思います。
なお、原料の供給先を小林製薬として明かすことは契約上の理由から行えず、その原料を購入して最終製品を製造した企業側が果たすべき食品衛生法上の責任ですから、引き続き危険性が排除できないなら、最終製品の販売企業が販売停止・回収する責任を負います。
早急に原因を解明しないと、すべての可能性(危険性)に対し、関連するすべての企業が食品衛生法上の対応を迫られますから、消費者重視および経営上の危機管理として、原因の特定を急ぐ必要があります。