2024/3/23

【長谷川滋利】元メジャー投手が見る「大谷翔平とお金」の話

NewsPicks 副編集長
アメリカ野球のメジャーリーグが3月20日、韓国・ソウルで開幕した。

注目を集めているロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、20日の第一戦、21日の第二戦ともにバッターとして先発出場した。

サンディエゴ・パドレスの開幕投手を務めたダルビッシュ有投手からは、移籍後初となるヒットを打つなど、2試合ともヒットと打点を記録した。

その一方で、3月21日には電撃的なニュースも飛び込んできた。通訳の水原一平氏の解雇が発表された。

NewsPicks編集部は今回、元メジャーリーガーの長谷川滋利氏にインタビューを敢行。大谷選手の大型契約を含めた「プロ野球選手のお金や投資」をテーマに、鋭い分析をしてもらった。

INDEX
  • 「損得」で考える1000億円契約
  • すべては「勝利」のため
  • オーナーの「グッゲンハイム」とは
  • 「ディズニー」も球団運営していた
  • 金融リテラシー「向上必要」
  • 大リーグの年金「まねすべき」

「損得」で考える1000億円契約

大谷選手の「10年7億ドル(約1000億円)契約」が昨年末に話題になりました。私は、その9割以上を後払いにしたことに驚きました
もちろん、大谷選手は多くの企業とも契約していて、お金には苦労していないので問題はないでしょうし、これまでも、多くのメジャー選手が「年俸の後払い」も含む契約をしています。
それでも、後払いの比率は、私の知る限り、多くても10%や20%程度です。
インフレが起これば額面が減るという意味でも損しますし、税金の観点から見ても、多くを後払いにするのは「損する選択」です。
2023年12月、ドジャースとの契約を発表した大谷翔平選手(Photo by Meg Oliphant/Getty Images)
ロサンゼルス・ドジャースの選手には、所在地のカリフォルニア州の税制が適用されます。
実は、カリフォルニア州が、この大谷選手の後払い契約を問題視しています。
カリフォルニア州会計監査官が1月に「税の公平な分配を妨げる」という声明を発表しています。