2024/3/20
【3分でわかる】今さら聞けない「日銀マイナス金利解除」の意味
3月19日、日本銀行が「17年ぶりの利上げ」を決めました。
40代以下の多くの人にとっては、2007年以来となる政策金利の引き上げは、社会人になってからほぼ初めての経験となります。
一見難しい金融政策のニュースをシンプルに理解する上で大事なのは、その方向性です。
金融政策の方針は、基本的に下の図にある2つだけです。
日銀は今回、「金融引き締め」の方向にかじを切りました。
この大きな歴史的転換をQ&A形式でポイントごとにまとめます。
- 1️⃣ 何が起きたの?
- ✔️ 前総裁の政策「ほぼ終了」
- ✔️「17年ぶり」の利上げ
- 2️⃣ なぜ大転換したの?
- ✔️ 異例のコミュニケーション
- ✔️ 決め手は「大企業の賃上げ」
- 3️⃣ これからどうする?
- ✔️ 短期金利中心の「普通の政策」に
- ✔️ 利上げでも「緩和的」続く
- 4️⃣ 何が起きる?
- ✔️「金利ある世界」へ
- ✔️ 為替は円高?円安?
1️⃣ 何が起きたの?
✔️ 前総裁の政策「ほぼ終了」
日銀を率いる総裁は、2023年4月に植田和男氏に代わり、約1年が経ちました。
それ以前は、黒田東彦氏がアベノミクスと並走する形で、「異次元」と称する大規模な金融緩和を行っていました。「非伝統的金融政策」とも呼ばれています。
日銀本店(Photo by Stanislav Kogiku/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)
黒田総裁時代の10年間に次々と打ち出してきた政策について、植田総裁は今回、「大規模な金融緩和は、その役割を果たした」と位置付けました。
そして、前総裁の政策にことごとく「終了のボタン」を押しました(下の図)。