[ワシントン/ロンドン 11日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは11日、7万2000ドルを超え、史上最高値を更新した。現物に連動する上場投資信託(ETF)への資金流入や、連邦準備理事会(FRB)が近く利下げに踏み切るとの期待が後押ししており、資金流入ペースが鈍化する兆しはない。

ビットコインは一時7万2739ドルまで上昇。米東部時間の午後の取引で4.4%高の7万2649ドルとなっている。

ビットフィネックスのアナリストは「このところの急上昇でビットコインの驚くべき強さと回復力が示された」とし、最高値を更新したことについて「市場に継続的な信頼と需要があることを反映している」と述べた。

デイリーFXのストラテジスト、ニック・コーリー氏は「ビットコインが急騰して今週の取引をスタートしたことで、他の暗号通貨も連動して上昇している」と指摘。

イーサは3.97%高の4062.07ドルと、約2年ぶり高値近辺に上昇した。

LSEGのデータによると、米国のビットコイン現物ETF上位10本への純流入額は3月8日までの週は2週間ぶりの低水準に減速したものの、約20億ドルとなお高水準にある。

英金融行動監視機構(FCA)は11日、認定取引所がプロの投資家向けに暗号資産ETN(上場投資証券)を上場することを許可すると発表した。

ビットコインは、マイニング報酬を4年に1度、半分に減らす「半減期」が4月に到来する見通し。半減期はビットコインの支援要因になることが多い。

デイリーFXのストラテジスト、ニック・コーリー氏は「ロンドン証券取引所が今年第2・四半期からビットコインETNとイーサETNの承認申請を受け付けると表明したことも、支援要因になっている可能性がある」と述べた。

FCAは「(暗号資産ETNは)損害をもたらすため、個人投資家には向かない」と指摘しているが、ビットコインの需要は幅広く増加している。

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間データ(3月5日までの週)によると、アセットマネジャーのビットコイン先物の買い越し額は過去最高を記録した。