FRB議長、早期利下げ慎重姿勢 「物価上昇率2%の確信まで」
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本日はパウエルFRB議長の議会証言が行われましたが、証言開始前に事前原稿が流れ「年内いずれかの時点での利下げ開始が適切」と利下げに言及している一方、「2%目標の確信が深まるまで利下げは適切ではない」とも述べていました。
市場の利下げ期待は追認するものの、時期や程度については経済指標次第とのスタンスを再度強調していました。
すでに早期利下げ期待を後退させている市場は、もう少しタカ派な内容になるのではとの警戒感も一部にはありましたが、予想通りの内容だったことから、株式市場はポジティブな反応を見せていまささた。
短期金融市場では6月までの利下げの確率を85%程度、7月までであれば完全織り込みという状況に変化はなく、年内は0.25%ポイントずつであれば、計3回の利下げを織り込んでいる状況。ヘッドラインより、いずれにしても年内に利下げ開始としている点でかなりハト派でした。長期金利も4.1%まで低下しています。ポイントは実質金利だと思います。物価の減速が見込まれるので、実質金利を一定に保つためには自動的に利下げになる、ということです。
パウエル議長の予定原稿にある「物価上昇率が持続的に2%に向かっているとの確信が深まるまで」利下げしないという表現は、1月のFOMC声明と一言一句同じです。これは驚くことではありません。
ただ、記事では紹介されていないのですが、上記一文の前にある「引締め政策を緩めるのが遅れたり小さ過ぎたりすると景気に悪影響」の下りは、最近のFRBからは余り聞くことのないリップサービスであり、かすかにハト派的に読めます。