2024/3/5

【世界的】金融界が「気候変動対策」から逃げ始めた

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NewsPicksでは週7日毎日、世界のトレンドの背景を追うシリーズを開始しています。火曜日は「Behind the Scene(ニュースの裏側)」です。
INDEX
  • 「意識高い系資本主義」への攻撃
  • 重い「新戦略」への懸念
  • 共和党の完全勝利
  • 気候変動への取り組みは続く

「意識高い系資本主義」への攻撃

過去数年間、世界中で大手金融機関の多くが、気候変動対策に資金を提供すると約束し、環境保護に熱心だという企業イメージを高めてきた。
その金融界が今、大幅な方針転換のさなかにある。
2月中旬、大企業に気候変動問題への対応を求めてきた国際的な投資家団体「Climate Action 100+(CA100+)」から、JPモルガン、資産運用会社ステート・ストリート、債券運用会社ピムコといった大手金融機関が相次いで離脱した。
金融界はここ数カ月、ゆっくりとだが着実に、環境問題に取り組むというかつての約束から後退している。
共和党が投資会社に対し、「意識高い系資本主義」の一翼を担っていると痛烈に攻撃し始めてからはなおさらだ。
この傾向は、数週間前からますます加速している。
米国・マンハッタンの金融街で行われた気候変動に関するデモ(写真:Stephanie Keith/The New York Times)