2024/3/4

【解説】イオン系ウエルシアとツルハが経営統合する「狙い」

Oh Tesun

NewsPicks 金融ジャーナリスト

ドラッグストア最大手でイオン傘下のウエルシアホールディングス（HD）と、業界2位のツルハホールディングス（HD）が2月28日、経営統合に向けた協議に入ったと発表した。

ウエルシアはツルハの完全子会社になり、合併後の会社はイオンの連結子会社になる予定で、売上高2兆円超の巨大ドラッグストア企業が生まれることになる。

ドラッグストア業界は2021年にマツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合するなど、大手の再編が続いている。

業界2強の経営統合は業界にどんなインパクトをもたらすのか。そもそもなぜ、ドラッグストアはM＆A（合併買収）を繰り返すのか。コンパクトに解説する。

INDEX

• 市場シェアは4分の1に
• 業界再編への影響は？
• きっかけは「アクティビスト」

市場シェアは4分の1に

コメント

注目のコメント

• Oh Tesun

  NewsPicks 金融ジャーナリスト

  ・2024年03月04日

  新たに誕生する「ウェルシア・ツルハ」連合は、規模の経済を発揮することができるのでしょうが。
  ドラッグストア業界のトップ2ですが、収益性では3位のマツキヨココカラが大きくリードしています。
  今回の経営統合の背景やドラッグストア業界の展望についてまとめました。
• 清水 勝彦

  慶應ビジネススクール 教授

  ・2024年03月04日

  規模の経済、表面的にはそうですが、PMIで必ず問題になる「文化」について全く言及されていないのが不思議です。ドラッグストアのM&Aって、そんなに簡単なんでしたっけ？
• 平川 凌

  NewsPicks Content Curator

  ・2024年03月04日

  ココカラファインを逃したスギホールディングス（スギ薬局）の動きが興味深いなと思っています。
  
  このウエルシア・ツルハ統合と同じタイミングで、阪神調剤薬局などを全国で手掛け、売上2233億円の調剤大手I&Hを買収しています。
  
  これにより、スギの売上はサンドラッグ超えとなります。
  
  また、3/1には老人ホーム紹介のソナエルと業務提携を結びました。
  
  これは足元で、自治体との包括連携協定に積極的なのとつながるなと。スギのプレスリリースを見ると、自治体との包括連携協定に関するものが大量にあります。
  
  これらは高齢化社会に向けた地域医療の実現、子育て支援、介護予防などが目的です。
  
  ドラッグストア帝国を築き上げようとするイオン（ウエルシア・ツルハ）に対抗すべく、地域医療を抑えに行こうとしているというのはかなり興味深いです。