(ブルームバーグ): 楽天グループが社債型種類株の発行を準備していると、27日付の発行登録書で明らかにした。同社は2024年から25年にかけて多額の社債償還を控えており、資金の確保を進めている。

登録書によると上限は7500万株で具体的な発行数は未定。東証プライム市場への上場申請を予定している。使途については、社債償還資金に充当する予定だが詳細は発行決議時に決定するという。

ブルームバーグのデータによると、楽天Gは2024年から25年にかけて約7030億円の社債が償還を迎える。同社は今月、18億ドル(約2700億円)のドル建て社債を発行した。相次ぐ施策により資金繰りへの過度な懸念はいったん落ち着く可能性もある。

登録書では、発行する理由について、モバイル事業の拡大に注力する一方、中期的な財務健全性の維持を目指すと説明。資本性調達による有利子負債の削減、償還スケジュールの能動的なコントロールを行うことなどで、財務基盤の強化を図るとした。また、経営や財政に影響を及ぼす可能性ある多数の競合事業者が存在していることもリスクとして挙げた。

楽天Gの資料によると、社債型種類株は、既存株主の利益を希薄化せず、自己資本の拡充にもつながるほか、財務指標への影響は限定的である調達手法だという。

国内通信大手のソフトバンクも23年に、社債型種類株式を発行し、東証プライム市場に上場した。

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