新興国、「ドル離れ」模索=人民元なお力不足
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以下2つの視点を挙げます。はじめに、基軸通貨への最も高いハードルはモノ作りと相容れない点です。なぜなら基軸通貨になれば誰もがその通貨を欲することから少なくとも当初は凄まじい通貨高圧力が生じるはずです。日本もユーロ圏(ドイツ)も、これまで何度かドルの信認が低下する場面が見られた中で、一度も手を挙げなかった主因と言えます。増してや、景気低迷に喘ぐ中国がドルに代わることなど中国自身、望まないでしょう。次に、新興国のドル離れが進むなら、米国の金利に上昇圧力が加わることになります。多くの国が外貨準備として保有しているドルで米国債を買っているからです。新興国は通常、自国通貨建てでは国際金融市場から資金を調達できず、その代わりにドル建て債務を抱えています。ドル離れは自分たちの首を絞めることになるのです。従って、地域毎、商品毎に決済通貨が多様化する結果、長い期間を経てドルの比率が低下し、多極化へ向かうことはあっても、かつて英ポンドからドルに変わったような基軸通貨の交代劇はまずみられないと考えられます。
BRICSがドル依存度を引き下げたいならば、まずは5か国の通貨を使った5か国どうしの決済手段を整えるという地道な取組みから始めるべきでしょう国際基軸通貨の仕組みは、覇権や地政学の問題に絡めて議論することは適切ではありません。受け取る相手国が、自らの貿易代金の支払いに使えるという安心感が広がらないと通貨として通用しません。