(ブルームバーグ): 楽天グループ株が反発、一時ストップ高となった。14日に発表した2023年12月期業績は5期連続の赤字になったものの、モバイル事業は契約回線数が増えたことで通信料収入が増加、赤字幅が縮小した。 

楽天G株は、一時ストップ高となる100円上昇、前日比16%高の731.3円まで買われた。日中上昇率は21年3月15日以来で最大。

SMBC日興証券の金森都シニアアナリストはリポートで、モバイル事業について、「サプライズではないが進捗(しんちょく)に安心感あり」とした。

 

開示資料によると、23年1-12月の純損益は3395億円の赤字と前年同期の3772億円から改善した。モバイル事業は契約回線数が増えたことで通信料収入が増加、セグメント損失は3375億円と、前年度の4793億円から赤字幅が縮小した。 

同社はまた、23年12月期の配当を実施しない方針を発表、「誠に遺憾」としながらも、資金流出を抑制することが財務基盤の安定と株主価値の向上につながると説明した。同社の無配は23年ぶり。

決算発表を受けて、信用リスクを表すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は低下した。トレーダーによると、午前11時のミッド・スプレッド(ビッドとオファーの中間値)は435bpと、14日午後6時時点の470bpから縮小した。

ブルームバーグ・データによると、楽天Gが今月発行したドル建て2027年2月満期債の上乗せ金利(スプレッド)は543bpと、前日から約20bp縮小している。

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--取材協力:Ayai Tomisawa.

(最終段落にCDS動向などを追記しました)

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