【山口周】 AI時代に知っておくべき、日本型エリートに欠けている“もっとも大事な能力”
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修士論文ではテーマを見つけ出すまで半年かかり、それを解くのにさらに半年かかりました。頭が溶けそうになるまで考え抜いた1年間は不安が続く厳しく辛いものでした。でもその経験が社会人になって大きく活きました。
ですから「良い問いを立てる」教育はとても良いと思います。ただし、必要な知識やスキルを素早くかつ深く独学できる能力と習慣とセットです。今の学生の弱さの一つが独学力かなと感じています。ネットで手軽に知識が得られる分、本質を理解しておらず実は独学になっていないということです。自分の受けた大学教育を思い返してみると「育ててもらったな」という印象があまりありません。大教室の講義を繰り返し受けているうちに、あっという間に4年間が過ぎていたように思います。
おそらく、大学の制度や学生数などの兼ね合いもあったのでしょう。しかし、人口減少局面に入った日本にとって、「競争の中から優秀な人を引き上げる」だけでなく「入ってから優秀な人に育て上げる」アプローチが重要になってくるのではないでしょうか。
叡啓大学が広島県の大学ではなく、全国から高い志を持った学生が集まる大学になってくれることを願ってやみません。アメリカの大学を経験して驚いたのは、日本と比較するとより実践的なクラスが豊富にあり、暗記といったインプット型ではなく、学生の活発な発言や提案が要求されるアウトプット型であるということ。
日本の教育制度は、先が見えない時代に生き抜くためには変革が迫られています。
例えば、外資系企業では当たり前であるコンピテンシーは、大きく成長を促してくれます。こういったグローバルの仕組みやモデルを柔軟に取り入れて、進化することで、先が見えない時代を生き抜く強い筋力をつけていくことが大切ですね。