人間移植用の臓器持つブタ、国内初誕生 遺伝子改変、25年臨床研究
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注目のコメント
以前に米国での進行状況を解説した記事です。
ブタからサルへの腎臓移植を理解する|- 合成生物学は新たな産業革命の鍵となるか?
(その1)予備知識
https://newspicks.com/topics/synbio/posts/114
(その2)ブタの作り方:体細胞核移植
https://newspicks.com/topics/synbio/posts/115
(その3)遺伝子改変「3KO・7TG・RI」
https://newspicks.com/topics/synbio/posts/116不気味の谷ではないけど、倫理の谷、的なものがある気がします。たとえば、人間の脳の機能障害を治療するために人間の脳機能と同等の機能を備える移植用の脳を持つブタも作り出すことが可能だと言うことだと思います。統合失調症治療のための扁桃体移植なんつう話とかも技術的に可能になるのではないかしらん。
そういうものが、気持ち的にアリなのか、ということに興味があります。俺は全然アリです。
あとはこの話、ブタじゃなくてイヌだったらどう感じるか、とかも。(ちなみに私はそれもアリです。)
この谷を超えるのは、臓器のみの培養か、サイボーグ化でしょうね。循環器は細胞レベルで機能する臓器なので求められる機能を発揮させるための技術的な難度が高く、不具合が死に直結するゆえ安全性・耐久性に対する審査が特に厳しいです。急性の拒絶反応が解決された後は長期的・安定的に機能するかどうか、特に血栓ができるか否かが課題になりますので、実際に臨床で使えるようになるまではまだまだ時間がかかると思われます。
余談:
米国では動物やヒトの組織から細胞や抗原性物質(タンパク質・DNA等)を化学的に除去した材料が臨床で使われています。真皮や骨などは化学的・機械的・構造的に元の生体組織と近しければ、細胞や抗原性物質が除去されたものであっても患部に生着して機能します。一方、日本では審査基準の問題ではなく患者の思想という観点で普及が進んでいませんでしたが、腱や血管などで実用化研究が進められています。