(ブルームバーグ): 人工知能(AI)急成長の恩恵を受けたいなら米半導体大手エヌビディアに投資するというのが、1年以上も前からの定番だった。しかし「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるハイテク大手7社の中で最も強力なエヌビディアよりも、急速に成長し、大幅上昇を演じながらまだ割安で、比較的知名度の低い銘柄がある。
スーパー・マイクロ・コンピューターの株価は年初水準の2倍を超えて上昇。約250%急騰した昨年の勢いは続いており、リターンはエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、マイクロソフトといった他のAI関連銘柄を優に上回る。2022年末からの値上がりは約700%に達している。AIアプリケーションを実行する半導体のインフラである、同社サーバーの強い需要が背景にある。
カリフォルニアに本社を置くスーパー・マイクロの時価総額は現在、約370億ドル(約5兆4800億円)を上回り、2022年末から8倍余りに拡大した。中型株に分類されているにもかかわらず、S&P500種構成銘柄の半数を時価総額で上回っている。ただ、1兆7000億ドルの規模を誇るエヌビディアに遠く及ばないのは言うまでもない。
足元の株高のきっかけとなったのは、先月に同社が公表した23年10-12月期の暫定決算が予想を上回ったことだ。AIサーバー、特にスーパー・マイクロの冷却システムへの底堅い需要が示唆された。同社はその後、売上高見通しを引き上げた。
オーシャン・パーク・インベストメンツの創業者で最高投資責任者(CIO)のJ・デニス・ジャンジャック氏は「スーパー・マイクロにとって、誰がAI競争に勝つかは問題ではない。AIチップを購入するのであれば、購入先がエヌビディアであれ他社であれ、それらを接続し冷却する必要があるためだ。その役割を果たすのがスーパー・マイクロだ」と説明した。
「AIに関わるための裏玄関だ」と述べ、「キャッシュフローが予測可能であることを踏まえると、バリュー投資家には絶好の対象だ」と続けた。
原題:Super Micro’s 700% Gain Thumps Nvidia as ‘Backdoor’ to AI Frenzy(抜粋)
--取材協力:Jeran Wittenstein.
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