ADB 大手銀行と協力 途上国政府に助言へ NHKニュース
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AIIBの動きと重なりましたが、この話、そんなに突然出てきた話でもないかと。
PPPについては2012年に「官民連携(PPP)業務計画2012−2020」が策定されています。そこから様々な調整が行われてきていたと考えるのが自然です。AIIBの設立によって、ADBの動きが加速化した可能性はありますが、焦っていきなりやり始めたのではないと思われます。
ADB「PPP業務計画書2012−2020」
http://www.adb.org/ja/documents/public-private-partnership-operational-plan-2012-2020
ADBについては、AIIBと重複している加盟国が多いわけですし、AIIBの動きがあってからADBが動くのであれば、そこまで関係国はすんなり動かないと思います。前から下地になる話が徐々に動いてコミットメントやコンセンサスができているからこそ、こうした動きが結実していくと考えられます。
ちなみに、インドネシアではIIF:Indonesia Infrastructre Financeが数年間から動いています。IIFはADB、ドイツ開発公社、三井住友銀行等が共同出資でPPP案件の形成を行っています。この組織の成否もPPP案件の将来を考える上で重要な試金石となります。
PPPはそう簡単に成功するスキームではありませんが(特に長期の資金回収が必要な有料道路や水道案件などは政府保証が無いと民間が抱えるリスクが大きい)、東南アジアでは徐々に成功させられるような仕組みが作られ始めています。 今回のADBの動きは、IIFの試みと併せてその意味で期待をしたいところです。
以下、本題からそれますが、かつて中の人をやっていた視点から、外交ニュースを読んでいて思うことです。
外交については、日本が絡むものは、何かと後追いと見做されがちです(今夏の件であれば、AIIBないし中国の追随)。しかし、外交文書や国際機関の資料をよく読むとそうでもないことがよく分かります(上記のADB文書)。経済については統計を使って客観的な話ができますが、外交・安全保障についてはイメージで語られがちです。データで説明できない外交・安全保障の動きは、各国の基本方針を記した文書、関連国や国際機関のプレスリリースを時系列的に丹念に変化を読み解く作業が必要。
報道で正確な見方をしているケースは稀で、どの記者が書いたもので見ていく必要があります。一部に外交について、地道に資料を読みこなして正確な報道をする記者がいます。ただ、デスクから、これじゃあ面白くないから、あの話と絡めて報道すると言われてしまうと、現場からはそれは本当はあんまり関係ないのに・・・という声が聞こえてきます。