エリート学生は“海外脱出”へ。行き詰まるフランス型教育・就活

2015/5/5
前回に述べた通り、フランスのトップ40企業の経営幹部(フランス語で“cadre”、カードル)546名のうち、84%はグランゼコール出身であり、うち、半分は「ENA、Polytechnique」および「HEC」の“御三家”出身者が占める。こうしたフランスの「カードルのみが出世する」超エリート主義は、国内外から疑問視されている。
とはいえ、この超エリート主義を合理的だと考える層もいる。人にはもともと資質があり、エリートにふさわしい者を選抜し、同一空間で競わせ、エリートとしてのマインドや実務教育を施し、トップクラスの職業に就かせるのが効率的だという発想だ。
実際、現在20代にしてフランスの大手IT企業で経営幹部を勤める筆者の知人も、「ENAを含めた、グランゼコールは、そもそもの機能をきちんと果たしている」と肯定的に捉えている。