2024/1/27

【DeepL】最強翻訳AIが「ChatGPT」に勝つ方法

森川 潤
NewsPicks NY支局長
スペシャリストこそが、「AI競争」を勝ち抜く道だ。
2024年も引き続き、AIはビジネスの最重要キーワードだ。
直近でも、ChatGPTのOpenAIに出資するマイクロソフトは、時価総額は初めて3兆ドル（約440兆円）を超え、停滞していたメタ（旧フェイスブック）もAIシフトから時価総額1兆ドル（約147兆円）を突破するなど、凄まじい資金が集まる。
だが同時に、主要AIプレーヤーが、米巨大テック企業に集中しているのも事実だ。
しかし、そんな環境下で、独自の戦略で「AI競争」を勝ち抜く企業もある。
まず、特集1回目でご紹介したいのが、AI翻訳の雄「DeepL」だ。
「グーグル翻訳を上回る翻訳精度」との評判で、日本でも特に人気のこのドイツ発のスタートアップは、世界中でユーザーを増やし続け、昨年は約10億ユーロ（約1500億円）の評価額でユニコーン企業の仲間入りを果たした。
翻訳に特化したDeepLはいかにChatGPTなどの巨大サービスと競争し、さらにビジネスで「稼ぎ」を産んでいるのか。
そのキーマンを直撃した。
INDEX
  • 大企業にチャンスがある
  • 「3分の2」を占める必勝営業法
  • 日本が「20％」の巨大市場な理由
  • 「PDF」に勝機がある
  • 「ChatGPT」に勝つ方法
  • 「グーグル翻訳」と競争しない
  • 非アメリカ企業がAIで勝つ方法

大企業にチャンスがある

──まずはじめに、DeepLのビジネスモデルについてお聞きできれば。
まず、大半のユーザーは最初は、口コミでDeepLに出会います。