[19日 ロイター] - 19日の米株式市場でS&P総合500種が、2年ぶりに終値で過去最高値を更新した。AI(人工知能)への楽観的な見方や、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに踏み切るとの見通しから、半導体関連が急伸した。

終値で過去最高を更新したことで、S&P500種指数は2022年10月12日の終値で弱気相場を終え、それ以降は強気相場が続いていることが確認された。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア・グローバル市場ストラテジスト、サミア・サマナ氏は「目下の問題は次に何が起こるかだ。残念ながら、過去最高値を目指す最近の動きの多くは、積極的な利下げ、依然好調な経済、インフレ低下、緩和的な金融・信用状況などを市場が期待した結果であり、これらの要因が同時に起こることはそれほど多くない」と指摘。株高が現実的な材料ではなく希望に基づいて構築されていると市場が認識し失望すれば、株価は重要なサポートラインまでの調整を余儀なくされるとの見方を示した。

一方、インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「S&P500の最高値更新は今後数週間において利益が予想を上回る限り持続可能」と想定。「ただ、市場が利益予想について先取りしていることが判明した場合、または一部の企業から市場が織り込んでいる強気のセンチメントと一致しない見通しが示された場合、現実的なリスクになる」とした。