Simon Lewis Steve Holland

[ワシントン/アデン 17日 ロイター] - 米バイデン政権は17日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派を「特別指定国際テロリスト(SDGT)」に再指定した。イエメン沖の紅海で商船攻撃を繰り返しているフーシ派に厳しい制裁措置を加え、圧力を強める。

米当局者は「厳しい制裁措置を伴うSDGT指定は、イランと連携するフーシ派が海運の要衝である紅海を航行する船舶に対する攻撃を行うために利用している資金や兵器を断つことを目的としている」と述べた。

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)も声明で「この制裁は、フーシ派へのテロ資金を阻止し、金融市場へのアクセスをさらに制限し、その行動に責任を持たせるための重要な手段だ」と述べた。その上で、「もしフーシ派が紅海などでの攻撃を停止すれば、米国は直ちにこの指定を見直すだろう」と述べた。

フーシ派の交渉責任者ムハンマド・アブドゥルサラム氏はロイターに対し、米国がフーシ派をテロ組織に再指定しても、イスラエルの船舶やイスラエルに向かう船舶が紅海、アラビア海、バブ・アル・マンダブ海峡を航行するのを阻止する作戦に影響はないと述べた。

フーシ派はSDGTに再指定されたものの、より厳しい制限を伴う「外国テロ組織」には再指定されなかった。米政府高官は、これにより人道支援物資を制裁対象から除外することが可能になると述べた。

米財務省は、農産物、医薬品、医療機器、電気通信、個人送金など、フーシ派に関わる特定の取引について許可証を発行した。また、イエメン国内の港湾や空港の運営、石油精製品に関するフーシ派との取引も許可された。

ブリンケン国務長官は声明で「フーシ派はその行動に責任を負わなければならないが、イエメンの市民を犠牲にしてはならない」と述べた。

国連によると、イエメンの人道危機は「深刻」で、人口の3分の2に当たる2100万人以上が援助を必要としている。

国際救済委員会の幹部は、たとえ除外規定があったとしても、イエメン人口の75%はフーシ派が支配する地域に住んでいるため、食料供給に「深刻な打撃」をもたらすとの見通しを示した。「人道的免除だけでは、制裁による被害を軽減するには十分でないことが多い」とも述べた。

国連はイエメンへの援助を継続するとした上で、米政府に対し、免除措置を明確にし、商業活動の継続を促すよう求めた。