損保ジャパンに業務改善命令へ 金融庁、契約者保護が欠如
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「保険契約者保護の意識が欠如していたと判断。内部管理態勢の立て直しや経営陣の責任明確化を求める」 (@@。
不正請求は絶対に許されることではないし、経営陣がそれを知りつつ取引の再会と継続を優先したならその責任は重大です。金融庁がそうした事実を把握したなら会社と経営陣の責任を追及するのは当然で、消費者を蔑ろにしたビッグモーターと組んで高い保険金の支払い、ひいては高い保険料の支払いを保険契約者に課した損保ジャパンをしっかり指導して立て直しを図って欲しい、というのが大方の見方でしょうし、私も公式にはそういう見解で、処分は当然だろうと思います。でもねぇ・・・
大きな声では言えないけれど、保険会社とビッグモーター等との”癒着”を断ち切ることが本当に契約者保護というか、消費者保護というかに貢献するかどうかは、疑問に感じないでもありません。うちの家人の一人が車を壁に擦り付けてドアどフェンダーを壊した折の修理見積もりは、正規ディーラーが街の修理業者と比べ2倍ほども高かった。正規のディーラーは何かにつけて新品の部品を使って全て取り換えようとしますから、高くなるのは当然でしょう。長年乗ったクルマを買い替えで引き取る際も、正規ディーラーの提示価格は街の業者より安かった。滅多に起こさぬ自損事故は車対車以外自分でカバーすることにしている私は、迷うことなく街の修理工場に任せ、修理結果は完璧でした。当該中古車も街の業者に売りました。
仮に私が自損事故を保険でカバーしているがゆえ正規ディーラーに修理を任せていたら、払われた保険金は街の業者に持ち込むより遥かに大きかったに違いありません。ビッグモーターが保険会社に重用されて大きくなった背景には、他の事業者、中でも正規ディーラーに修理を任せるより遥かに安かったということがあるんじゃないのかな (・・?
そうだとすると、こうした”癒着”を断ち切っても、保険料を下げることにはたぶん大して繋がりません。正規ではあるが不正請求より高いといった事態を本気で防ごうと思うなら、保険会社が全ての修理を具に点検して最善・最安の方法を選ばす必要があるわけですが、それは事実上不可能でしょう。
ビッグモーター社と損保ジャパンを擁護する気は更々ないし、処分も当然と思いますけれど、正規とされるものも含め、事業を巡る闇は深いかも。f(^^;昨年9月に損保ジャパンの白川儀一社長が唐突な辞任会見を開いたとき、同席した損保ホールディングスの櫻田社長が、まるで人ごとのように「現場のことは知らなかった」と発言していたのを聞いて猛烈な違和感を感じたのを覚えています。その時、白川辞任について書かれた記事(9/8/2023)にしたコメントを以下に再掲します。今回金融庁はデジタルフォレンジックまできちっとやったようです。それにより当時の保険持株会社の経営陣の行動も細部に渡って明らかにできたはずで、それを受けて打ち出される①会社に対する処分と、②会社が責任ある取締役等に対して行う処分(おそらく調査委員会の調査費用負担を含む)がセットで出てくるはずです。
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今回の事案に関しては、HDが株主だという理屈で責任回避するのはちょっと難しいという気がします。少数株主ではなく、ただの「親会社」でもなく、損保ジャパンの100%を持つ「保険持株会社」のHDが行なう「経営管理」業務の中には「報告が早く正確に行われる」状態を作ることも当然含まれる訳で、「早く知りたかった」という他人事のような言い方自体を任務懈怠の現れだと考えるのが規制当局の目線です。長時間の会見でおつかれだったのかも知れませんが、櫻田さんにしてはちょっと脇が甘いなというのが私の感想です。ビッグモーターの幹事社として、彼らの犯罪に事実上加担した損保ジャパン。被害者救済も途上です。
「業務改善命令」ではなく「業務停止命令」まで視野に入れるべきだと思います。
記者レクがあるでしょうから、当局の考えを聞きたいと思います。
自賠責保険審議会の傍聴について厳しいこと言ったから記者レクに呼んでくれるかな。