2024/1/11

【ネオ教育】岡山の秘境にある「英語特別区」を訪ねてみた

INDEX
  • 県外から家族ごと移住の家庭まで
  • 少子化脱却へ生み出した一芸強化策
  • 「ライバルが極少」の特異な環境
  • 異例の5・4制、そして名誉校長はあの人
  • 田舎でも「切り拓ける」子は育つ

県外から家族ごと移住の家庭まで

JR岡山駅から電車を乗り継いで約40分、岡山県総社市にあるJR伯備線の美袋(みなぎ)駅に到着した。
レトロ感がこれでもかと言うほど漂う駅以外、「ほぼ何もない」と表現するほかないエリアに、今回の目的地・「五つ星学園」がある。
大自然の中にある五つ星学園の最寄り駅・JR美袋駅/Utai HATANI
五つ星学園とは、総社市昭和地区の幼稚園2園、小学校2校、中学校1校を総称したものだ。
山間部のど真ん中にあるこの学校群には、一つの特徴がある。
それは、校区外の児童や生徒、つまり越境入学が4割近くを占めているということだ。
市内の別校区どころか、県内の他の市はもちろん、なんと埼玉や岐阜から家族ごと転居してきたケースもあるという。
Photo:Utai HATANI
その数、現在は196人の生徒のうち、71人。実に36%が「越境」入学者であるどころか、今の中学1年生は31人中15人と半数が「地元民」ではない。
「こんな田舎にどうやって通うんだ」と思いたくなるが、電車の本数こそ少ないものの、実はそれぞれの学校自体、最寄り駅からすぐ歩ける距離にある。
さらに、市外や県外から、市が促進する定住促進とも連携し、これまで20世帯以上がこのエリアに移住してきたという。
なぜ、こんな辺境に──。謎は深まるばかりだが、1つずつ解き明かしていく。