(ブルームバーグ): ソニーグループは、インドのメディア大手ジー・エンターテインメント・エンタープライゼズとのインド部門の合併合意を破棄する見通しだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。100億ドル(約1兆4400億円)規模の巨大メディア企業の誕生を目指した合併交渉は2年にわたったが、終わりを迎えることになる。

ソニーは、ジーの最高経営責任者(CEO)で創業者の息子でもあるプニット・ゴエンカ氏が合併後新会社のトップになるかどうかを巡る対立を理由に、合併合意の解消を検討している。情報が公開されていないとして匿名を条件に同関係者が語った。

2021年に合意が交わされた時点ではゴエンカ氏が新会社を率いることになっていたが、同氏に対する証券当局の調査が続く中で、ソニー側が別のCEOを望むようになったという。

ソニーは合併に必要ないくつかの条件が満たされていないとして、1月20日に延長された取引完了の期限前に契約解除通知を提出する予定だと、関係者の1人が明らかにした。ここ数週間に行われたミーティングでゴエンカ氏は、当初の合意通り、合併後の組織で指揮を執りたいとの立場を貫いていたと、もう一人の関係者が語った。

両社の協議はまだ続いており、期限までに決着する可能性も依然としてある。

ソニーとジーの担当者に電話と電子メールでコメントを求めたが、まだ返答は得られていない。

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原題:Sony Is Planning to Call Off $10 Billion Merger With India’s Zee(抜粋)

--取材協力:Manuel Baigorri.

(第2段落以降を追加します)

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