2024/1/6

【直撃】広告世界最大手「WPP」が今、日本に大注目する理由

NewsPicks 副編集長
電通と博報堂という2強が君臨してきた日本の広告業界に、世界の王者が乗り込んできた。
広告世界最大手のWPPグループは、世界中でさまざまな広告会社を抱える一大コングロマリットだ。
そんなWPPが2022年4月に、日本でグループの事業を統括するCEOを初めて任命。これまであまり実現できていなかったグループ会社間の連携を強める狙いだ。
この職に就いたのが、松下恭子氏。実はグローバルの広告業界で最前線を渡り歩いてきた人物だ。
ソニーやグリー、エレクトロニック・アーツなどの欧州拠点を経て、2014年、英国の新興広告会社だったエッセンスに入社。同社は翌2015年、WPPに買収される。
アジア地域の責任者から、2019年にエッセンスのグローバルCEOに就任。3000人以上を率いるグローバル企業のトップに就いたのだ。
そして松下氏は現在、WPP JapanのCEOとして、グローバルCEO直下で日本事業の拡大を目指す。2022年からの5年間で事業規模を3倍にする計画を掲げている。
なぜ今WPPが日本に注力するのか。グローバル経営に携わってきた松下氏が見てきたものとは。今注目すべき経営者の声に、耳を傾けてみよう。
INDEX
  • グローバルブランドは日本に注目
  • 国産ブランドを世界規模に
  • 広告会社がテック企業になった
  • 広告よりも「エクスペリエンス」の時代
  • M&Aも駆使して日本を攻める
  • 前職は「グローバルCEO」という経歴
  • CEOになったから見えたもの

グローバルブランドは日本に注目

──なぜ今、日本なのでしょう。電通や博報堂のような国内大手の存在感も大きい市場です。