中国が一網打尽の米スパイ網、CIAは再構築に苦戦
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非常に興味深いです。2000年代、10年代に米国政策決定レベルやインテリジェンスにおいて対中警戒感が低かったことが、現在に深刻な影響を及ぼしていることが伝わってきます。
記事には、2010年頃、CIAが習近平が格別に安全保障を重視しているという警鐘を当時のオバマ政権上層部が無視したとあります。
「複数の当局者によれば、当時のオバマ政権はこの分析をほとんど無視した。中国が経済発展に伴い、自由主義化し、米国を基軸とする国際秩序に加わることを期待していた。こうした方針は、それまでの民主党および共和党の政権で20年間にわたり継続されてきたものだった。」
オバマ政権のみならず、米国全体が2000年代、2010年代前半は、大国間紛争の危険や中国の構造的台頭をあまり信じていませんでした。
個人的にも当時を振り返ると、2007年から09年までコロンビア大大学院で安全保障論を学んでいましたが、中国、ロシアとの戦いは過去の遺物であり、21世紀は「テロとの戦い」が主流であるとする見方が広がっていました。オバマ政権は、当時の雰囲気を捉え、アフガンでの新しい戦争にフォーカスする形で登場したのです。
長期的見通しや、それに基づく資源配分が10年後の安全保障を左右することが分かります。歴史にイフはありませんが、仮に2000年代から対中警戒感をもっと維持されていれば、もう少しマシな戦い方ができたかもしれません。
他方、中国の台頭は構造的に不可避であり、米国と衝突することも必然であるとの見方もあります。仮に習近平がいなくとも、米国を中心とした国際秩序に挑戦することが正統な試みであるという考え方は、中国国内で支持を持つ考え方です。
記事の最後に「習氏の独裁的指導体制に対する不満の高まりや、経済にきしみが出ていることなど、中国にも間隙が生じる可能性がある」、中国は「だが、不可能なターゲットではない」というくだりがあります。
中国の独裁指導体制が安定的に成長し、軍事的に拡張していくのは蓋然性が高いシナリオですが、政治経済的に不安定化し、混乱の中、紛争に至る危険性も十分にあります。
諜報と政策の今回の「失敗」から得られる教訓のひとつは、複数のシナリオを踏まえた政策の資源配分及び戦略構築を行っていくことが重要なのだ、ということなのかもしれません。米中の諜報戦の実態を把握することは困難だが、習近平体制下で米国情報機関への協力者が徹底的に取り締まられたことは事実だろう。中国高官の不可解な失脚の相当部分は腐敗か情報漏洩に関するものとみてよい。
何が起きているか,
一言で言えば,冷戦終結以降の米国の覇権的地位の凋落である
世界を見渡してみると良い
そしてその空白を埋めるように,中国が絶対的にも相対的にも膨張している
グローバル・ガバナンスのパラダイム・シフトが起きているのは間違いないだろう
中国は機を捉えよう(捉えている)としている
米国は,鏡に映る自分の姿を見てみると良い
トランプみたいな人が現れるのも,そうした米国の危機感を反映している
相当焦っている