(ブルームバーグ): 米アップルの元デザイン責任者で伝説的存在でもあるジョニー・アイブ氏と、対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が、新たなAIハードウエアプロジェクトにアップルのベテランを起用する。最新の機能を備えた機器の開発を目指す。

事情に詳しい複数の関係者が非公開情報であることを理由に匿名で語ったところでは、アップルを退社する幹部のタン・タン氏がこの取り組みの一環としてアイブ氏のデザイン会社ラブフロムに加わり、同社は新製品の外観と機能を形作る。アルトマン氏はソフトウエアの基盤を提供する計画。

2019年にアップルを退社し、ラブフロムを創設したアイブ氏にとって、今回の取り組みは最も野心的なものの一つとなる。同氏はアップル共同創業者の故スティーブ・ジョブズ氏の下でデスクトップパソコン(PC)「iMac」、スマートフォン「iPhone」、タブレット「iPad」などの考案に携わったことで知られる。

関係者の話では、アイブ氏はAI機器への取り組みが新会社につながることを期待しているが、製品開発はまだ初期的段階にある。これまでのところ、有能な人材の起用とコンセプトづくりに重点が置かれている。

タン氏はラブフロムに勤務し、同プロジェクトでハードウエアエンジニアリングを主導すると関係者は明らかにした。ブルームバーグ・ニュースは先に、iPhoneとスマートウオッチ「Apple Watch」のデザインを担当するバイスプレジデントのタン氏が来年2月に退社する予定だと報じていた。

構想の段階にあるプロジェクトには、家庭用機器などが含まれる。オープンAIは取材に対し、ラブフロムに照会するよう促し、同社はコメントを控えた。アップルもコメントを控えている。

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原題:Sam Altman, Jony Ive Enlist Apple Veteran to Work on AI Devices(抜粋)

(詳細を追加して更新します)

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