イラン、フーシ派の紅海での攻撃に「深く関与」=米当局者
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フーシー派のナワバリは、イエメンの西部、つまり紅海の沿岸です。
こことアフリカの角の間を封鎖すれば、イスラエルへの海上輸送をかなり減らせるし、実際に減らしています。
ここは、世界の海上輸送の15%程度が通るところなので、もちろん、ヨーロッパや中国など、世界中にある程度の影響は出ます。
フーシー派が攻撃に使っている、ドローンやミサイルは、イランから供与されたものです。
ヘリコプターなどは昔ソ連から輸入されたものでしょうから、全ての兵器がイラン製というわけではないですが。
それから、おそらくイランが果たしている役割の1つが、情報収集です。
この海域は、毎日50隻ほどの貨物船やタンカーが通過しますが、フーシー派は、米海軍や英海軍への攻撃を除けば、確実に何らかのイスラエル関係(イスラエル資本の入っている海運会社、あるいはイスラエルに寄港する船舶)の船舶を攻撃、もしくは拿捕しています。
それなりの情報収集能力が必要で、イラン(の革命防衛隊)が船舶を指定していると考えた方がよさそうです。
なお、フーシー派のナワバリはイエメン西部なので、東側にあるペルシア湾とホルムズ海峡の封鎖はできません。
ただし、イランは、その気になればできます。
ここがふさがれると、世界全体への影響は、紅海よりもはるかに大きいです。
先ほど、紅海のはるか東、イランの南西にあたるインド洋の海域で貨物船がドローン攻撃を受けましたが、フーシー派がやったとは考えにくいです。米国は有志連合による紅海の共同パトロールを立ち上げましたが、エジプトやサウジアラビアなどアラブの主要国が参加してくれません。とりわけエジプトはスエズ運河の通行料がなくなれば経済的に大打撃のため、フーシ派の攻撃に困っているのですが、フーシ派がイスラエルのガザ攻撃に抵抗していることから、フーシ派と敵対する政策に参加することが出来ません。
それだけ国民のパレスチナ人に対する同情とイスラエルの攻撃に対する怒りが強くなっているからです。
サウジも基本的に同じで、イスラエルを止めない米国の呼びかけに応じることが出来ないくらい、国民のガザ戦争に対する反発が強まっています。
米国はフーシ派の背後にイランがいる、悪いのはイランだ、と主張してアラブ勢に参加を求めていますが、彼らを取り込むことは難しいでしょう。
まずガザ攻撃をやめさせるのが先、というのがアラブ諸国の米国に対する要求です。